社内SEになりました

社内SEは本当に楽なのか?ユーザー系IT企業とSierとの違いは?これからIT企業への就職や転職を考えている人むけに、ユーザー系IT企業から社内SEに40代で転職した筆者がITエンジニアの仕事内容やプロジェクト管理のノウハウ等をご紹介。

ITエンジニアの分類(仕事の役割:運用保守)

ITエンジニアを仕事の役割の観点で分類すると、システム企画、システム開発、運用保守に分類できます(私はシステム開発と保守を経験、ちょっとだけシステム企画にも携わる)。

運用保守は、大きくは運用と保守に分かれます(当たり前か)。難しいのが保守の扱いで、開発担当者が兼務する場合と運用担当者が兼務する場合があります。私の乏しい経験でいうと開発担当者が兼務する場合が多いです。

①運用

そもそも運用って何なのか?

ITILという体系化されたものがありますが、簡単にいうと日々、システムを動かすことです。大部分のシステムは自動化されていますが、予算の関係で自動化できなかったり、自動化するのが現実的でなかったりする部分を人間が補っています。例えばシステムで出力した紙帳票の仕分けです。送達先毎に紙帳票を仕分けして社内便等で送達します。あるいはスケジューリングできない処理を運用担当者が動かしたりもします。例えば毎月の会計の締め処理は、経理がチェックをしてから動かすような場合、予め何日の何時にシステムの締め処理を動かす、といった登録をすることができません。その場合、経理担当者がチェック後に運用担当者に連絡をして、運用担当者が会計の締め処理を動かしたりします。

また運用担当者は障害の監視もします。24時間365日、運用担当者が監視をしている会社もあります。その場合の重要な役割は、障害発生時の一次対応です。予め想定されている障害は復旧手順が整っているので、運用担当者はその手順に従って復旧を試みます。復旧しない場合や手順の無い障害の場合には、運用担当者が保守担当者に連絡をします。

内部統制のしっかりしている会社だと、開発担当者が改修したプログラム資産を本番環境にリリースするのも運用担当者の役割です。本番にリリースするために開発担当者がきちんとテストをしているか等をチェックしたりもします。

このようにユーザーが日々、安心してシステムを使い続けられるのは、運用担当者がシステムを守っているからなのです。

②保守

保守には「是正保守」「緊急保守」「予防保守」「完全化保守」「適応保守」の5種類があります。

システムは人が作るものなので、残念ながらバグが潜んでいて本番でユーザーが使い始めてからバグが顕在化することがあります。このバグの修正が「是正保守」です。バグの修正に時間がかかる場合、一時的な対応をすることもあります。その対応が「緊急保守」です。

「予防保守」はバグが顕在化する前に、バグを発見して手を打つことです。ハードウェアを一定期間で交換したり、パッケージ製品のリビジョンアップによるバグの修正等が予防保守にあたります。システムの稼働監視で障害の予兆を見つけて手を打つこともあります。

「完全化保守」は、「予防保守」と区別しにくい点がありますが、性能や保守性を向上させるためにソフトウエアを改良することです。検索機能の性能を向上させるために、データベースのINDEXを追加するようなケースが「完全化保守」にあたります。

「適応保守」は、環境に変化に合わせるためのソフトウェアの改良です。OSバージョンアップに伴う修正や、組織の変更や法令・制度変更に伴う修正などです。

利用者が増えてきてサーバーのリソースが不足してきた場合、スケールアップをしたりしますが、これは業務拡大に伴う改良なので「適応保守」です。利用者が増えていないのに、メモリーリークでメモリーが不足してきたので、サーバーを手動で再起動するのは「予防保守」です。このサーバーの再起動を自動化するツールを組み込むことは「完全化保守」です。

少し話しがそれますが、この5つの分類の重要な点は、資産と費用の違いです。「是正保守」「緊急保守」「予防保守」は費用です。「完全化保守」「適応保守」は資産です。特に資産の扱いにすべき「完全化保守」と「適応保守」を費用として扱ってしまうと脱税になるので注意が必要です。逆にいうと自分の行っている保守が資産化の対象なのか費用計上の対象なのかが分かれば、5つの分類はどうでも良いのです。が、消費税の軽減税率対応などは適応保守でも費用計上が許されていたりするので、なかなか区別が難しいところではあります。

話しを元に戻すと、保守は定型化された作業ではないため、通常はシステムを作った開発担当者が兼任をします。保守では開発時のテストで発見できなかった様々なバグが顕在化しますので、その一つ一つの原因追及から恒久対策を検討する過程で、様々な知識やノウハウを得ることができます。その保守のノウハウを次の開発に活かすことが重要となります。本当に優れたシステムを作るためには、保守の経験が欠かせません。

 【振り返り】

ざっと以下の分類の③−3についてご説明しましたが、イメージが湧いたでしょうか?

ITエンジニアの仕事の紹介は以上となります。

①スキル領域
 ①−1 アプリケーション系
 ①−2 インフラ系
 ①−3 運用系

②会社による違い
 ②−1 事業会社のIT部門(社内SE)
 ②−2 ユーザー系IT企業
 ②−3 Sier

③仕事の役割
 ③−1 システム企画
 ③−2 システム開発
 ③−3 運用保守