子供のころは、マグロがご馳走でした。
はじめて両親に連れて行ってもらった回転寿司。ひらすらマグロ(赤身)を食べ続けていました。
それ以降、回転寿司に連れて行ってもらうたびに、ひたすらマグロ(赤身)、マグロ(赤身)、マグロ(赤身)。
今思えば、ウニとかトロとか、いろいろあったはずなのに、マグロ(赤身)以外には手をつけませんでした。
なんとなく、「マグロばっかり食べて、よっぽどマグロが好きなんだねえ」と喜んで見ている両親の姿に、マグロ(赤身)以外を食べると期待を裏切るような気がして・・・。
いつの日か、マグロ(赤身)を食べることが、自分の使命ような感じになっていました。
そんな感じで勝手に人の期待を作り上げてしまう私は、成長して社会人になり一人暮らしを始めたころ、同じ店で週5日、夕食に麻婆豆腐丼を2年間食べ続けることになるのでした。