RFP の書き方の説明です。
第七回は、提案方法と評価方法の説明です。
1.提案方法
ベンダーにどのように提案して欲しいのかを記載します。
主に以下のことを記載します。
①提案スケジュール
RFP説明会の日時、提案意識の確認の期限、提案書提出の期限、プレゼンテーションの日程、採用可否の連絡日程、契約の日程などを記載します。
②RFPに関する質疑応答先
質疑の方法(QA表に記載等)や連絡先を記載します。またQAについて他社に公開するかどうかも明記します。
③提案書の扱い
堅苦しいですが、提案書は返却しないこと、提案に係る費用の負担はしないこと、提案書の著作権は当社に帰属し許可なく第三者に公開することを禁ずること、などを記載します。
④プレゼンテーション
プレゼンのスピーカーを指定します。通常はプロジェクトを推進するリーダー(PM)にプレゼンをしてもらい、PMの力量を評価します。またプレゼンの時間も記載します。
⑤契約条件
契約類型(請負、準委任など)や契約の単位の要求を記載します。
要件定義は準委任、基本設計以降は請負などです。その要求が必須かどうかも記載します。
⑥見積もりフォーマット
ベンダー各社に自由なフォーマットで見積もりを提出させると、見積もり漏れなどに気づかないため、見積もりのフォーマットを指定します。
また段階リリースするような場合、その際の作業費を初期開発の中に入れるのか、運用保守の中に入れるのかなども記載します。
⑦提案書フォーマット
これもベンダー各社に自由なフォーマットで提案書を作成させると、比較が非常に大変になります。あらかじめ「もくじ」を決めておくことで、各社の提案が比較しやすくなります。
⑧提出書類
最後に、どのような書類を提出するかを記載します。
提案書と見積書は当然として、それ以外に契約書の案を提出させる場合もあります。
2.評価方法
あらかじめ評価方法や評価者(役職、部署)を公開することで、ベンダーに公平性をアピールします。
またベンダーとの認識ずれで、ベンダーが本来の実力を出せないことを防ぐ目的もあります。ベンダー選定は、より良いベンダーを選定するものであるので、各社にはこちらの意図に沿った提案をしてもらい、十分に実力を発揮していただく必要があります。
よくある方法としては、提案書の目次に沿って配点を一覧化し、各項目ごとにどういった提案が加点で、どういった提案が減点になるかを記載します。
RFP の要求が必須なのか任意なのか、代替案が可能なのかといった情報も記載すると、より良い提案をしてもらいやすくなります。
「実現困難な要求があれば、その理由を明記すること。理由が妥当であれば減点対象としない」というような一文があると、自分たちが気づかなかった問題点に気づく可能性もあります。
ベンダー提案は選定のためだけでなく、選定しなかったベンダーの情報も有効活用しようと考えると、RFP の書き方も変わってくると思います。
【振り返り】
今回は RFP に記載する提案方法と評価方法の説明でした。
RFP の書き方の説明は以上となります。
①はじめに(用語集や関連資料など)、目的と背景、対応概要、スコープ
②スケジュール、体制、役割分担、作業環境
③工程定義、成果物
④前提条件、制約条件、リスク、課題
⑤機能要求、非機能要求
⑥提案方法、評価方法