社内SEになりました

社内SEは本当に楽なのか?ユーザー系IT企業とSierとの違いは?これからIT企業への就職や転職を考えている人むけに、ユーザー系IT企業から社内SEに40代で転職した筆者がITエンジニアの仕事内容やプロジェクト管理のノウハウ等をご紹介。

プロジェクト管理のキモ(要員管理)

プロジェクト管理の中の要員管理の説明です。

と言いつつ、実は私はプロジェクト管理の中での要員管理が何を対象とするのか、良く分かっていません。PMBOKでの要員管理とは、要員の状況やスキルを把握し、プロジェクトを成功へと導くことと言われています。人的資源マネジメントとか最新のPMBOKでは資源マネジメントとも呼ばれていて、どんどんスコープが広がっていっています。いったい、どこまで頑張ればいいのか・・・。

巷で良くいわれる要員管理は、以下の4つのプロセスに分かれます。

■人的資源マネジメント計画
■チーム編成
■チーム育成
■チームマネジメント

体制図や役割分担を決めるだけでなく、メンバーの育成やモチベーションの向上もスコープとなっています。

1.体制図と役割分担

通常のプロジェクトであれば、体制図と役割分担は必ずといっていいほど作ります。プロジェクトメンバーの役割が具体的なレベルで明確であればあるほど、プロジェクトを効率良く運営することができます。またユーザー部門の役割を明確にすることで、プロジェクトのスコープを明確にすることもできます。

ベンダーやユーザー部門、社内関係部署と誰が窓口になって調整するのかを体制図で表現することも重要です。縦の関係(指示命令系統)は体制図で表現しやすいですが、横の関係を上手く表現することが体制図のキモになります。

マスタースケジュールと体制図、役割分担の粒度や表現を揃えると、大きなレベルでメンバーが自分たちの役割とスケジュール感を把握することができます。

2.メンバーの育成とモチベーション

プロジェクト開始前に、メンバー一人ひとりと面談をして、今回のプロジェクトを通じてどんなスキルを伸ばしていきたいのか希望を聞くことが理想です。プロジェクトを通じてメンバーが成長できてはじめて、プロジェクトが成功したと言えます。QCD目標をクリアーして、顧客から評価されたとしても、プロジェクトメンバーが成長できていなければ、そのプロジェクトは評価されません。

プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、要員管理はメンバーの進捗やコストを管理していく側面が強くなってしまいます。ですが、体制図や役割分担で各メンバーの責任範囲を明確にしたとしても、言われたことをやるだけの集団ではプロジェクトは成功しません。一人ひとりが自分で考え、自分の判断で行動をして、はじめてプロジェクトは成功します。

プロジェクトが終わったとき、メンバーがまた一緒に仕事をしたいと思ってくれたとしたら、それが何よりもプロジェクトマネージャーの最高の評価です。  

【振り返り】

今回はプロジェクト管理の中の要員管理の説明でした。次回はステークホルダー管理の説明をしていきたいと思います。

①.進捗管理
②.品質管理
③.コスト管理
④.課題管理
⑤.リスク管理
⑥.変更管理
⑦.コミュニケーション管理
⑧.成果物管理(文書管理)
⑨.要員管理
⑩.ステークホルダー管理
⑪.外注管理